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2008年度 社会学科 鵜飼ゼミ 卒業論文 相互批評集

IT著

住民意識を高めるまちづくりの様子 ―大阪市平野の事例を中心に―

「まちづくり」とはたいへん広い意味をもつ言葉である。そこで本論では二つの観点からみている。まず、街並みや設備など人々がその街に住む器としての「ハード」に関するまちづくりと、それとは対照的に、住民の意識や関心など人々の内面にアプローチする「ソフト」に関するものである。では、この論文の構成だが、第一章の問題提起から、第二章では景観や文化財保護に関する条例や、「まちづくり」という言葉自体についても言及している。そして第三章ではいくつかの街のまちづくりの実例を挙げ、活動状況や方向性を通してまちづくりの多様性を明らかにしている。また、この論文の大きなテーマである「住民意識」は、まちづくりに多大な影響を与えるものであり、その街の「らしさ」につながるたいへん重要な要素であると考える。そこで第四章では大阪市平野区の住民団体である「平野の町づくりを考える会」にスポットを当て、活動の中心である「町ぐるみ博物館」などを紹介し、会員の方への聞き取り調査もまとめた。そして第五章では平野区のまちづくりについての考察、第六章ではまちづくりの担い手たちの関係性についてまとめ結論とした。

[キーワード] まちづくり 景観 住民意識 担い手
IT論文への批評
「まちづくり」についてよく調べ、丁寧に述べられているという印象である。しかし逆に言うならば、こじんまりと論文が終わり、筆者の主張が少ないように感じた。論文の中には、いくつもの都市が例として挙げられているが、全国多くある都市の中で、それらをなぜ調べようと思ったのか動機付けが弱かったように思う。また、それに加えて、例に挙げられていた都市が、日本各地であったため地域性などをあまり感じることができなかった。近畿地方、中国地方など、限定すればより地域性を鑑みていけたのではないだろうか。
平野区の事例は住民意識が高い。彼らは地域コミュニティの形成に成功し、国や府からも表彰されている。なぜ、平野区は住民意識が高いのか?その理由まで深く知りたかった。また逆に住民意識が低いと思われる地域と比較しても、より一層平野区の事例が際立ったのにとも思った。
(ISY)
「街づくり」と聞くと、単純に県や市町村の行う都市計画や公共事業だけを想像していましたが、設備やしくみを整えるハードの要素に加えて実際住んでいる人々の交流や意識、その地に対する愛着などのソフトの部分が存在することを知ることができました。IT君はハードの部分は県や市町村の活動に、ソフトの部分は住民の活動にと役割がきっちり分かれている場合が多く、今後はひとつに纏めることが理想的だと主張していましたが。しかしなぜそのように思うのか、またそうするための具体策はなんであるのかも同時に主張すべきだと考えます。さらに、結論の部分では分かりきった意見のみを述べ、目新しい主張ができていなかったことが残念です。それから事例をたくさん挙げて詳細に述べられていたことは素晴らしかったのですが、全体的に量が多すぎてどこが特に大事なのわかり難かったです。情報の取捨選択が大事であると考えました。
(KY)
「まちづくり」や地域に関心を持つ(特に男性の)学生が最近増えているのは、なぜなんだろう?IT君には知るだけではなく、自分の足で取材してこいと何度も言いました。平野に行って、いろいろ教えてもらったことで、この論文は救われたと思いますよ。
(UK)