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2008年度 社会学科 鵜飼ゼミ 卒業論文 相互批評集

KY著

死とはどういうものか ―現代社会の死の捉え方―

自分の持つ死への漠然とした恐怖を取り除きたいということを直接の動機として、現代社会で人々は死をどのように認識しているのか捉えることにより死とはどういうものなのかを考えた。

第1章では葬送儀礼の形式化や商業化から、宗教の形骸化と「死」が人々の日常生活から切り離されていることが分かった。さらに第2章の癌末期患者の死に対する態度をアメリカ社会との比較からも、宗教の形骸化による死に対する態度の変化が確認された。また、第3章では近年議論され始めている「死後の世界」の研究について触れ、そこから宗教の形骸化に加えて、科学至上主義も揺らぎつつあるということを考えた。

以上のことから、現代社会は宗教にも科学にも支配されることのない新しい段階に移行しており、その中で死という非日常的で神秘的な事象に恐怖と畏敬の念を抱いていると考え、死の捉え方は時代と共に変化していくと考えた。また、この社会で「死」を観察し、意味を与えるという営みは生きている私たちのものであって、死について考えることは生について考えることと同じなのではないかと考えた。

[キーワード] 死 宗教 科学 生
KY論文への批評
科学と医療が発達した現代社会においては、人々の平均寿命は長寿化する一方、宗教の形骸化や核家族化の伸展、葬儀式の商業化にともない、「死」を身近なものとして意識する機会は少なくなってきている。しかし、今を生きる私たちは例外なく、いずれ「死」を迎えるのである。そういった意味で、本論文のテーマは万人に関わるものであり、先行研究を取り上げつつ、「死」のあり方について深く論じたのは、読む者に「死」について考える機会を与えるという点で、大変意義深い。
なお、本論文の第3章と結論部分では、自然科学と死後の世界をめぐる議論、現代社会の死の捉え方について、筆者の主張を交えて展開されているが、第1、2章の先行研究と比較して、少ない記述で終わっている感がある。本論文の中心となるべきテーマであるため、もう少し、筆者の意見を含んだ議論が欲しいところではある。
(GT)
海外の葬儀や死に対する考え方を調べ、違った角度や違う考えから「死」を考察し日本の考え方と比較考察している点、昔の考え方と今の考え方から社会の変化や死に対する態度の変化を見ている点では、「死」という概念がどのように捉えられているのかが理解でき、とても良いと思う。死に逝く人々の気持ちの変化、表現類型のところに、もしくは結論に動機であるどうすれば幸せな最後を迎えられるのか、ということに対するKYさんの意見がもっと詳しく述べられていればかなりおもしろくなっていたと思う。
全体的な流れから見ると、アメリカ、昔と現在、子どもの「死」にたいする概念と様々なものが描かれており、現代問題である子どもの殺人からも死の捉え方を研究しているのがおもしろい。
(IMY)
夏休みに書き上げてから、KYさんの筆はぴたりと止まりました。私もどうアドバイスしていいのか、糸口を見つけることができませんでした。ちょっと、死後の世界というむずかしいテーマにこだわりすぎたかな。いくら考えてもわからないことはありますね。
(UK)