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渡辺ゼミが沖縄大学緒方ゼミと交流会

2010年9月27日 渡辺 武達

2010年9月16日から19日の3泊4日で、メディア学科・渡辺ゼミ18名は恒例の沖縄研修旅行を行いました。
目的は①沖縄大学の緒方修先生ゼミとの研究発表による交流、②琉球新報社を訪ね、最近の沖縄事情の講義を受け、同時に新聞事情について学習すること、③米軍基地問題についての理解を深め、地元の事情を直接体験的に知ること、などです。
今年もそれらの目的を組み込んだスケジュールを立てて実行し、予定通りの学習効果をあげることができました。

1日目

1日目は、沖縄に着いたのが午後遅く(16:00)になったため、予約していたレンタカーに分乗し、まずアジア最大の米軍嘉手納基地の夜間状況を視察することになった。それに最適の場所が「道の駅かでな」の4階屋上で、学生たちは暗い中を離着陸する米軍輸送機、戦闘機のすさまじい爆音に驚きを隠せなかった。
その道の駅の食堂で夕食をとったが、食事中もひっきりなしに高い金属音が耳をつんざき、これでは耐えられない!と、住民の不安と怒りに学生たちは共感していた。その後、ホテル(旧コザ市、現沖縄市内)へチェックインし、学生たちは翌日の研究発表の準備を行った。

2日目

2日目は、まず、昼間の嘉手納基地参観ということで、09:00からもう一度全員で道の駅へ足を運んだ。爆音は前日と同じくひどいものであったが、それ以上に、視界いっぱいに広がる基地の規模と緑の芝生、瀟洒な住宅に圧倒され、所々に見える弾薬庫・戦闘機格納庫に恐怖を覚えた。同時に基地が平坦な地にあるのに、住民の住居が曲がりくねった坂道に多いことに事実上の米軍占領を感じ、学生たちはその矛盾を深く心に刻んだ。

帰宅後に提出された学生のレポートによれば、普段の自分たちの生活とはまるでかけ離れている光景、毎日のようにニュースとなる普天間基地などの問題も実際のほんの一部でしかないこと、さらには本土で喧伝される美しい海と珊瑚礁、観光地沖縄の別の顔を確認し、ショックを受けたということであった。
その後、那覇市内にある旧・海軍司令部壕を見学。岩で出来た岡をくり抜いて迷路のような地下通路ができており、それが沖縄住民の徴用と過酷な労働によって作られたことに驚き、また当時の壕内では米軍上陸を前に兵士や幹部幕僚が手榴弾で自決した時の破片跡や遺体が散らばっていた場所など、現在でも沖縄戦の悲惨さや酷さがそこには残っていた。

この日の13:30から、沖縄大学の緒方ゼミと合同で琉球新報社を訪問した。同社玻名城泰山取締役編集局長の出迎えと岡田新聞博物館長の案内で、新聞作りの工程を現場で詳しく説明してもらい、さらに米軍問題を浮き彫りにする写真をたくさん見ることができた。特に、住民を敵と仮定して演習を行っている米兵が写されていた写真には一同恐怖さえ感じた。また、今年高校野球で春夏連続優勝を果たした沖縄興南の記事が琉球新報の号外となり、そのレイアウトが2ページ連続で1つの紙面とされたことに、沖縄の心意気とほこり、同時に鬱憤晴らしともいえ気持ちを感じ取った。

15:30からは、沖縄大学で双方のゼミ研究発表を行った。渡辺ゼミからは、3つのグループ発表(①2回生:「テレビ報道のあり方」by寺谷和佳奈、酒井芳樹、②3回生発表「報道番組の比較研究」by三村洋平他、③「エンターテインメント系番組の調査と研究」by楢崎祐基他)を行った。沖縄大学側からは2つ(①聴覚障がい者である中村智香さんが作成したTV番組「ギャップを壊せ!」、石垣CATVで18日放映、の冒頭と、制作のプロセスの説明など。金城直君が関わった「アジア青年の家」報告、7分半)の発表があり、相互にコメント、意見交換をした。同志社大学側がメディアの理論的研究が主であったのに対し、緒形ゼミはメディア制作をベースに活動を行っており、2つのゼミの違う面が発表を通して理解でき、有益な学習会となった。
特に緒方ゼミの1人で聴覚障がい者の制作したテレビ番組にはインパクトがあった。彼女がハンディを乗り越え、自分の意志を伝えようとする意志と実行力。それはとりわけ同志社大学側学生にメディア研究とその実践という意味で大きな感動を与えるもので、単なる理論的研究だけでなく実践を行うことで新たなメディアへの視点を見いだすことが出来るかもしれないと感じたと学生たちのレポートにもあった。

続いて18:30より、沖縄大学付近の居酒屋で懇親会を行い、交流を継続し、研究上の情報交換をしながら友情を深め、確認した。

3日目

3日目は4班に分かれ、それぞれの立てた計画に従って行動した。①美ら海水族館や首里城などの施設、史跡を回るグループ②南部戦跡訪問やシーサーなどの伝統工芸実習グループ③海洋生物観察グループ④カヌーなどの海洋スポーツのグループに分かれ、それぞれに文化学習と体験的実習を行った。

そうして各班別に沖縄本島を動いた後、夜の意見交換、報告会を行った。そこでもまた、すべての参加者が至る所で米軍基地を目の当たりにし、住民の一般居住地が米軍と自衛隊の基地に取り囲まれているかのような状況に言葉を失い、琉球新報社で、沖縄住民の声を素直に伝えるとやはりこれ以上の米軍基地の増設はみとめられないという紙面になるとの博物館長のことばを実感していた。
もちろん、各地に米兵相手の店などもたくさんあり、経済的には基地が小さくない位置を占めていることも理解したようである。

4日目

4日目は便が早いため空港で買い物のみし、帰宅する形となった。空港荷物検査場では「森林の中で拾った手榴弾は持ち込みできません」という張り紙を見つけ、今なお、沖縄は観光客が森林で容易に手榴弾を手にすることができるという環境であることを再認識した。

参加学生全員からレポートを提出させたが、すべてのレポートが先述したゼミ研修の目的をよく理解し、かつ目的が実行できたことについて、充実した体験とともに満足感と学習効果についての感謝が記されていた。同時に、普段本土のメディアに接しているだけでは知り得ない、米軍基地との接触について、現地の生の声をジャーナリスト、沖縄大学生や住民の方々から聞き、おなじ日本人としてもっとまじめにそうした問題について考えていかなければならないと感じたようである。とくに、実際の戦闘機の爆音を生で聞いてはじめて、沖縄の人びとの米軍基地問題に対する意識の高さ、敏感さが理解できたようである。
さらには、メディア学科の学生として、メディアが伝えるべきことは何なのか、自分達が日頃勉強していることを、この沖縄研修を通してさらに発展させなければないとの感想が寄せられたことは引率者としてもうれしいことであった。

最後にゼミ研修に同志社大学からの援助が得られたことに感謝しつつ、その期待に応えられる研修内容になったことを報告しておく。学生たちも今度の沖縄での経験を忘れず、努力していってくれることを望みたい。
なお、ゼミ研修の幹事は3回生、楢崎祐基君にお願いした。参加者は3回生を中心に、TAの大学院中国人留学生と企画に賛同し協力した1回生3名、2回生1名を合わせ、全18名であった。

以下、簡単なスケジュール表と関連写真を添付する。

スケジュール

1日目(9/16、木)内容
13:40関西空港集合
14:40関空発
16:40那覇空港着
各班に分かれ、レンタカーを借り、嘉手納基地を「道の駅かでな」から見学、夕食
20:30ホテル(東京第一ホテル沖縄グランメールリゾート)へチェックイン
21:00入浴
22:00研究発表の準備〜就寝
2日目(9/17、金)内容
9:00朝食後、嘉手納基地参観、旧・海軍司令壕見学
研究発表準備と昼食
13:30沖縄大学緒方ゼミとともに琉球新報訪問。新聞博物館などを見学
15:30〜18:00沖縄大学で、研究発表と議論
19:00懇親会
終わり次第、那覇市内国際通りのホテル山之内へチェックイン
3日目(9/18、土)内容
9:00朝食後、各自市内を散策
10:00各班で前日の研究発表の反省。その中から沖縄で間近に見て見たい場所をピックアップ
11:00〜18:00各班で見学したい場所を訪問
20:00レンタカーを返却
22:00夕食、入浴、就寝
4日目(9/19、日)内容
9:30ホテル発、朝食、那覇空港へ
11:55那覇空港発
13:45関空着、研修終了、解散
沖縄大学との研究交流(グループ写真)

沖縄大学との研究交流(グループ写真)
沖縄大学との研究交流(発表写真)

沖縄大学との研究交流(発表写真)
シーサー製作中のゼミ生

シーサー製作中のゼミ生
沖縄大学生と琉球新報社を訪問

沖縄大学生と琉球新報社を訪問
琉球新報号外 (沖縄興南高校春夏連続優勝) 注文が多く後日再発行され配付された。 通常の2倍の大きさの号外。

琉球新報号外
(沖縄興南高校春夏連続優勝)
注文が多く後日再発行され配付された。
通常の2倍の大きさの号外。
美ら海水族館前のゼミ生

美ら海水族館前のゼミ生