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北海道大学文学部平沢ゼミとの研究交流会報告

2010年10月28日から30日の2泊3日で、社会学部社会学科・尾嶋ゼミの4回生13名、尾嶋先生とTAのTさん、計15名で札幌市を訪れた。
目的は、北海道大学文学部・平沢ゼミとの卒業論文研究による交流である。同じ社会学を専攻している他大学の学生がどのような研究を行っているか等を知り、そして自分たちの研究内容を報告することで相互に意見交換・議論をして、卒業論文をより良いものにするためである。

北大での合同卒論報告会

札幌滞在2日目の29日、北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟の教室を利用し、本学尾嶋ゼミと北大平沢ゼミの合同卒業論文報告会が行われた。
報告会のはじめの言葉として、北大の平沢先生がユーモア溢れるお話をされ、学生の発表が始まった。
形式は11名が持ち時間内(15分程度)に各々の卒業論文の途中経過を発表したのち、質疑応答を行うというものであった。北大・平沢ゼミからは4名、本学・尾嶋ゼミからは7名の学生がそれぞれの卒業論文についての発表をおこなった。論文のテーマは多岐に渡り、各大学の枠を超えた活発な議論がなされたように思う。前半はお互いに初対面の緊張もあり、質疑応答において議論があまり弾まなかったが、休憩をはさんだ後半からは議論も活性化し、時折笑いの漏れる場面もあり発表者にとってはスリリングかつ楽しい発表になったのではないかと思う。とくに平沢ゼミ生からの質問や、鋭い指摘、平沢先生から頂いたアドバイス等、各自が自分の論文に足りないものを見つけることができたのではないだろうか。

発表順と発表された論文のタイトルは以下の通り。
  1. 平等と分配の正義論 -規範と応用- 北海道大学 IT
  2. 非行少年の再犯を防止する要因 -少年院、少年刑務所における社会的絆の影響- 同志社大学 TK
  3. オンラインゲーム中毒の性質とそれが人に及ぼす影響について 同志社大学 HR
  4. 成年後見人制度 -知的障害者の「自己決定」- 北海道大学 KR
  5. 中高一貫校における有名大学への進学の地域差 -設立種別に着目して- 同志社大学 FY
  6. 恋愛格差社会 -非モテの「発見」- 北海道大学 IH
  7. 就職活動における学校歴と選抜方法の違い -リクルータ制に着目して- 同志社大学 TY
  8. 「疑似自営業者」によるコンビニ加盟店ユニオンという新しい労働運動 北海道大学 IR
  9. 観光地としての京都 -メディアによって創り出された京都イメージ- 同志社大学 KS
  10. 専業主婦志向は本当に高まっているか 同志社大学 MY
  11. 死刑制度への態度に関する分析 -JGSS2001を用いて- 同志社大学 TM

発表一人目は北大生で、平等と分配という固いテーマだった。これには同志社生は面食らった様子で、質問もあまりできなかったように思う。困った時のTAということで、尾嶋ゼミTAのTさんが質問をしたが、同志社生の緊張はまだまだ解けていない様子だった。
次は同志社生の発表で、北大生からいくつか質問があった。全体的に、人数は少ないながらも北大生の方が勢いはよかったように思われる。発表が進んでいくにつれ緊張も解けてゆき、目安の時間をオーバーするくらい議論も活発になっていった。最初は北大生の発表には同志社生が、同志社生の発表には北大生が質問することが多かったが、次第に身内の発表にも質問が向けられるようになっていき、雰囲気も柔らかくなっていった。
テーマとしては全員がバラバラで、死刑制度や成年後見人制度といった固い話、就職活動についての身近な話、"非モテ"など恋愛についてのとっつきやすそうな話など多岐に渡るものであった。
基本的に発表者のレジュメをまとめた冊子をメインに発表が行われたが、スクリーンを使ってわかりやすいように発表する学生もいた。 北大生のレジュメは密度が濃く、読み応えがあるが少し見難い部分もあったように思う。しかし、具体的に論文の内容を知ることができ、初めて研究内容を聞く同志社生にとっては分かりやすいと感じた。
発表をしなかった尾嶋ゼミの学生たちも、簡単に口頭で研究内容を説明し、最後は尾嶋先生の締めの言葉で三時間を越える合同ゼミは終了した。
合同ゼミ終了後、早速北大生が用意してくれた店に移動し、平沢ゼミと尾嶋ゼミで"卒論抜き"の懇親会が行われた。他大学とはいえ同回生なので、話は弾み楽しい時間を過ごせた。

合同ゼミについての感想

『11人の卒論研究を聞きましたが、テーマは本当にみんなバラバラ。一人一人が自分のテーマをちゃんと持っていました。発表会後、社会学はやはりなんでもありだなぁと実感しました。また、いつものゼミと違い、他大学の学生の考えていることを聴くのは新鮮で、とても貴重な経験になりました。この機会を各々が自身の卒論研究に生かしていければと思います。』
(DT)
『同じ社会学を学ぶ者として(学部こそ違うが)大いに刺激を受け、「自分ならこれは思いつかないな」、「分析的視点としてこういう切り口もありか」と感心する場面も多かった。様々な社会的事象に対する問題意識にとどまるのではなく、どうアプローチしていくかという方法論のおもしろさ(社会学における学術的なおもしろさ)に、社会学の扱うテーマの広さ、深さをあらためて感じることができたように思う。
ただ同時に卒業論文を「社会学の論文」として成立させることの難しさにもあらためて気づかされることになり、論文の完成までにはなお一層の努力が必要だと感じた。
発表会後には懇親会が行われ、研究に関すること以外も含めゼミ生、先生方とざっくばらんに交流することができた。参加者全員が大変有意義な1日を過ごすことができたと思う。』
(HS)
『合同ゼミで自分の卒論を発表すると決まったときは、プレッシャーを感じてすごく暗い気分になったけれど、発表を終えて、すごく良い経験になったと思う。私の卒論について北大生や平沢先生から指摘されたことについても自分では気づかなかった点もあったし、自分の考えを人に正確に伝えるということの難しさを改めて実感した。更に、北大生の発表を聞いて、卒論をより良いものにしたいとの思いも強くなった。自分の発表時以外にも北大生が鋭い質問を投げかけていて、もっと自分も社会学を勉強せねば、と思った。あと少しで卒業だけれど…。合同ゼミは、本当に刺激的で貴重な体験だったと思う。』
(MY)

まとめ

今回の北大との合同卒論報告会を通して、私たち同志社生にとって非常に良い刺激になったのではないかと思う。こんな機会がない限り、他大学の社会学を勉強している学生の卒論をリアルタイムで知ることなどなかなか出来ないし、同志社生とはまた異なるスタイルを持つ北大生の研究の視点やアプローチ法などを知ることができて、大変勉強になったと思う。
また、北大生との親睦会や北海道大学見学についても、京都・同志社大学という枠を超えて、新鮮で貴重な体験となった。
最後に、親切に迎えてくれた北海道大学平沢ゼミの皆さんに感謝をお伝えしたい。ありがとうございました!
(レポートと構成 尾嶋ゼミ MY)

教員から

予想以上に実りの多い北海道合宿だったと思います。適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られたようです。これがほんとうに活かせた成果(卒論)につながるかどうかは、今しばらく待たないといけませんが、両校の学生が核融合し、いつもとは違った経験ができたことは確かです。オブザーバーとして参加した北大の3回生から来年のオファーをいただきました。来年は京都で開催でしょうか。楽しみにしています。平沢先生、いろいろ準備をしてくださってありがとうございました。
(尾嶋)
合同ゼミ

合同ゼミ終了後

到着 道庁